2 .\" Title: apt_preferences
4 .\" Generator: DocBook XSL Stylesheets v1.75.2 <http://docbook.sf.net/>
10 .TH "APT_PREFERENCES" "5" "04 May 2009" "Linux" "APT"
11 .\" -----------------------------------------------------------------
12 .\" * Define some portability stuff
13 .\" -----------------------------------------------------------------
14 .\" ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
15 .\" http://bugs.debian.org/507673
16 .\" http://lists.gnu.org/archive/html/groff/2009-02/msg00013.html
17 .\" ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
20 .\" -----------------------------------------------------------------
21 .\" * set default formatting
22 .\" -----------------------------------------------------------------
23 .\" disable hyphenation
25 .\" disable justification (adjust text to left margin only)
27 .\" -----------------------------------------------------------------
28 .\" * MAIN CONTENT STARTS HERE *
29 .\" -----------------------------------------------------------------
31 apt_preferences \- APT 設定制御ファイル
34 The APT preferences file
36 and the fragment files in the
37 /etc/apt/preferences\&.d/
38 folder can be used to control which versions of packages will be selected for installation\&.
41 ファイルに複数のディストリビューション (stable
44 など) が指定されていて、パッケージに対し複数のバージョンがインストールできることがあります。このとき APT は、利用できるバージョンごとに優先度を割り当てます。依存関係規則を条件として、\fBapt\-get\fR
45 は、最も高い優先度を持つバージョンをインストールするよう選択します。APT 設定ファイルは、APT がデフォルトで割り当てた、パッケージのバージョンの優先度を上書きします。その結果インストールするものの選択を、ユーザが選択できるようになります。
48 ファイルに複数の参照が書かれている場合、パッケージの同じバージョンのインスタンスが複数利用できる可能性があります。この場合、\fBapt\-get\fR
51 ファイルの初めの方に指定されているところからダウンロードします。APT 設定ファイルはバージョンの選択にのみ影響し、インスタンスの選択には影響しません。
53 Note that the files in the
54 /etc/apt/preferences\&.d
55 directory are parsed in alphanumeric ascending order and need to obey the following naming convention: The files have no or "pref" as filename extension and which only contain alphanumeric, hyphen (\-), underscore (_) and period (\&.) characters \- otherwise they will be silently ignored\&.
56 .SS "APT のデフォルト優先度の割り当て"
58 設定ファイルがなかったり、設定ファイルに特定のパッケージを割り当てるエントリがない場合、そのバージョンの優先度は、そのバージョンが属しているディストリビューションの優先度となります。デフォルトで他のディストリビューションより高い優先度を持つ、特定のディストリビューションを「ターゲットリリース」としておけます。後述する
60 ファイルで設定した一般優先度よりもこれは優先されますが、pin 止めしたパッケージには及ばないことに注意してください。例えば以下のようになります。
66 \fBapt\-get install \-t testing \fR\fB\fIsome\-package\fR\fR
78 APT::Default\-Release "stable";
84 ターゲットリリースが指定されると、APT は以下のアルゴリズムで、パッケージのバージョンの優先度を設定します。以下のように割り当てます。.PP
87 (あるならば) 既にインストールされているバージョン。
92 インストールされておらず、ターゲットリリースに含まれないバージョン。
97 インストールされておらず、ターゲットリリースに含まれるバージョン。
100 ターゲットリリースが指定されていなければ、APT は単純にインストールしているパッケージのバージョンには 100 を、インストールしていないパッケージのバージョンには 500 を割り当てます。
102 APT は、インストールするパッケージのバージョンを決定するために、以下のルールを上から順番に適用します。
112 有効なバージョンの優先度が 1000 を越えない場合、決してダウングレードしません。(「ダウングレード」は、現在のパッケージのバージョンよりも、小さいバージョンのものをインストールします。APT のデフォルト優先度が 1000 を越えないことに注意してください。そのような優先度は設定ファイルでのみ設定できます。また、パッケージのダウングレードは危険であることにも注意してください)
123 最も高い優先度のバージョンをインストールします。
134 同じ優先度のバージョンが複数存在する場合、最も新しいもの (最もバージョン番号が高いもの) をインストールします。
145 優先度・バージョン番号が同じものが複数存在し、そのパッケージのメタデータが異なるか
147 オプションが与えられている場合、インストールされていないものをインストールします。
150 よくある状況として、あるインストールされているパッケージのバージョン (優先度 100) が、\fBsources.list\fR(5)
151 ファイルのリストから得られるバージョン (優先度 500 か 990) よりも新しくないということがあります。この場合、\fBapt\-get install \fR\fB\fIsome\-package\fR\fR
153 \fBapt\-get upgrade\fR
156 まれに、インストールされているパッケージのバージョンが、\fI他の有効なバージョンよりも\fR新しい場合があります。この時
157 \fBapt\-get install \fR\fB\fIsome\-package\fR\fR
159 \fBapt\-get upgrade\fR
162 時々、インストールしているパッケージのバージョンが、ターゲットリリースに属するバージョンよりも新しく、他のディストリビューションよりも古い場合があります。そのようなパッケージに対して
163 \fBapt\-get install \fR\fB\fIsome\-package\fR\fR
165 \fBapt\-get upgrade\fR
166 を実行すると、パッケージは更新されます。この場合、インストールされているバージョンよりも、少なくとも\fIひとつ\fRは、高い優先度を持つ有効なパッケージがあるからです。
169 APT 設定ファイルを使うと、システム管理者が優先度を割り当てられるようになります。ファイルは、空白行で区切られた、複数行からなるレコードで構成されています。レコードは特定形式か、汎用形式のどちらかの形式をとります。
179 特定形式は、優先度 ("Pin\-Priority") を、指定したパッケージの指定したバージョン (範囲) について割り当てます。例えば以下のレコードは、"5\&.8" で始まる
204 汎用形式は、与えられたディストリビューションにある、すべてのパッケージ (Release
205 ファイルに列挙したパッケージ) の優先度や、FQDNで指定した、特定のインターネットサイトから取得するパッケージの優先度を割り当てます。
207 APT 設定ファイルに書かれている汎用形式のエントリは、パッケージのグループについてのみ適用されます。例えば以下のレコードは、ローカルサイトにある全パッケージについて、高い優先度を割り当てます。
221 注意: ここで使用しているキーワードは "origin" です。Release
222 ファイルに指定されたような、ディストリビューションの Origin と混同しないようにしてください。Release
223 ファイルにある "Origin:" タグは、インターネットアドレスではなく、"Debian" や "Ximian" といった作者やベンダ名です。
225 以下のレコードは、アーカイブ名が "unstable" となっているディストリビューションに属するパッケージを、すべて低い優先度に割り当てます。
232 Pin: release a=unstable
239 以下のレコードは、コード名が "squeeze" となっているディストリビューションに属するパッケージを、すべて高い優先度に割り当てます。
246 Pin: release n=squeeze
253 以下のレコードは、アーカイブ名が "stable" で、リリースバージョン番号が "3\&.0" となっているリリースに属するパッケージを、すべて高い優先度に割り当てます。
260 Pin: release a=stable, v=3\&.0
268 .SS "APT が優先度に割り込む方法"
270 APT 設定ファイルで割り当てた優先度 (P) は、正負の整数でなくてはなりません。これは (おおざっぱにいうと) 以下のように解釈されます。.PP
273 パッケージがダウングレードしても、このバージョンのパッケージをインストール
278 インストールされているバージョンの方が新しいことを除き、ターゲットリリースに含まれなくても、このバージョンのパッケージをインストール
283 ターゲットリリースに属するバージョンがあったり、インストールされているバージョンの方が新しいのでなければ、このバージョンのパッケージをインストール
288 他のディストリビューションに属するバージョンがあったり、インストールされているバージョンの方が新しいのでなければ、このバージョンのパッケージをインストール
293 このパッケージがインストールされていない場合、このバージョンのパッケージをインストール
301 特定形式のレコードが利用可能パッケージバージョンに一致した場合、最初のレコードが、パッケージバージョンの優先度を決定します。失敗して、汎用形式のレコードが利用可能パッケージバージョンに一致した場合、最初のレコードが、パッケージバージョンの優先度を決定します。
303 例えば、APT 設定ファイルの上の方に、以下のレコードが書かれていると仮定してください。
318 Pin: release unstable
335 バージョン番号が "5\&.8" で始まっていれば、perl
336 の最新の利用可能パッケージがインストールされます。バージョン 5\&.8* が利用可能で、バージョン 5\&.9* がインストールされている場合、perl
349 以外のどんなパッケージでも、他のバージョンより (たとえターゲットリリースに属していても) 優先度が高くなります。
361 \fBsources.list\fR(5)
362 に列挙されたサイトにあるバージョンで、unstable
363 ディストリビューションに属しているパッケージは、インストールするよう選択され、既にインストールされているバージョンがない場合にのみインストールされます。
366 .SS "パッケージのバージョンとディストリビューションプロパティの決定"
368 \fBsources.list\fR(5)
369 ファイルに列挙した場所では、その場所で利用できるパッケージを記述した、Packages
376 \&.\&.\&./dists/\fIdist\-name\fR/\fIcomponent\fR/\fIarch\fR
377 ディレクトリにあります。例えば、\&.\&.\&./dists/stable/main/binary\-i386/Packages
378 です。これは、ディレクトリにある利用可能パッケージごとに、複数行のレコードからできています。APT 優先度の設定は、レコードごとに以下の 2 行だけです。.PP
391 file is normally found in the directory
392 \&.\&.\&./dists/\fIdist\-name\fR: for example,
393 \&.\&.\&./dists/stable/Release, or
394 \&.\&.\&./dists/woody/Release\&. It consists of a single multi\-line record which applies to
396 of the packages in the directory tree below its parent\&. Unlike the
398 file, nearly all of the lines in a
400 file are relevant for setting APT priorities:
404 names the archive to which all the packages in the directory tree belong\&. For example, the line "Archive: stable" or "Suite: stable" specifies that all of the packages in the directory tree below the parent of the
408 archive\&. Specifying this value in the APT preferences file would require the line:
414 Pin: release a=stable
423 names the codename to which all the packages in the directory tree belong\&. For example, the line "Codename: squeeze" specifies that all of the packages in the directory tree below the parent of the
425 file belong to a version named
426 squeeze\&. Specifying this value in the APT preferences file would require the line:
432 Pin: release n=squeeze
441 リリースバージョン名です。例えば、このツリーのパッケージが、GNU/Linux リリースバージョン 3\&.0 に属するとします。通常
445 ディストリビューションには、まだリリースされていないので、バージョン番号が付きません。APT 設定ファイルでこれを指定するには、以下の行のいずれかが必要になります。
452 Pin: release a=stable, v=3\&.0
463 ファイルの、ディレクトリツリーにあるパッケージのライセンスコンポーネント名です。例えば、"Component: main" という行は、このディレクトリ以下の全ファイルが、main
464 コンポーネント (Debian フリーソフトウェアガイドラインの元でライセンスされている) であることを表します。APT 設定ファイルでこのコンポーネントを指定するには、以下の行が必要になります。
480 ファイルのディレクトリツリーにあるパッケージの提供者名です。ほとんど共通で、Debian
481 です。APT 設定ファイルでこの提供者を指定するには、以下の行が必要になります。
487 Pin: release o=Debian
497 ファイルのディレクトリツリーにあるパッケージのラベル名です。ほとんど共通で
499 です。APT 設定ファイルでこのラベルを指定するには、以下の行が必要になります。
505 Pin: release l=Debian
512 \fBsources.list\fR(5)
517 ファイルはすべて、/var/lib/apt/lists
521 変数で指定した場所に取得されます。例えば、debian\&.lcs\&.mit\&.edu_debian_dists_unstable_contrib_binary\-i386_Release
522 ファイルは、debian\&.lcs\&.mit\&.edu
525 コンポーネントな、binary\-i386
529 .SS "APT 設定レコードのオプション行"
531 APT 設定ファイルのレコードごとに、任意で
533 で始まる行を持てます。これは、コメント用の場所を確保します。
537 line in each APT preferences record is optional\&. If omitted, APT assigns a priority of 1 less than the last value specified on a line beginning with
538 Pin\-Priority: release \&.\&.\&.\&.
542 The following APT preferences file will cause APT to assign a priority higher than the default (500) to all package versions belonging to a
544 distribution and a prohibitively low priority to package versions belonging to other
552 Explanation: Uninstall or do not install any Debian\-originated
553 Explanation: package versions other than those in the stable distro
555 Pin: release a=stable
559 Pin: release o=Debian
567 \fBsources.list\fR(5)
568 file and the above preferences file, any of the following commands will cause APT to upgrade to the latest
576 apt\-get install \fIpackage\-name\fR
578 apt\-get dist\-upgrade
584 The following command will cause APT to upgrade the specified package to the latest version from the
586 distribution; the package will not be upgraded again unless this command is given again\&.
592 apt\-get install \fIpackage\fR/testing
600 The following APT preferences file will cause APT to assign a high priority to package versions from the
602 distribution, a lower priority to package versions from the
604 distribution, and a prohibitively low priority to package versions from other
613 Pin: release a=testing
617 Pin: release a=unstable
621 Pin: release o=Debian
629 \fBsources.list\fR(5)
630 file and the above preferences file, any of the following commands will cause APT to upgrade to the latest
638 apt\-get install \fIpackage\-name\fR
640 apt\-get dist\-upgrade
646 The following command will cause APT to upgrade the specified package to the latest version from the
648 distribution\&. Thereafter,
649 \fBapt\-get upgrade\fR
650 will upgrade the package to the most recent
652 version if that is more recent than the installed version, otherwise, to the most recent
654 version if that is more recent than the installed version\&.
660 apt\-get install \fIpackage\fR/unstable
666 .SS "Tracking the evolution of a codename release"
668 The following APT preferences file will cause APT to assign a priority higher than the default (500) to all package versions belonging to a specified codename of a distribution and a prohibitively low priority to package versions belonging to other
670 distributions, codenames and archives\&. Note that with this APT preference APT will follow the migration of a release from the archive
675 oldstable\&. If you want to follow for example the progress in
677 notwithstanding the codename changes you should use the example configurations above\&.
683 Explanation: Uninstall or do not install any Debian\-originated package versions
684 Explanation: other than those in the distribution codenamed with squeeze or sid
686 Pin: release n=squeeze
689 Explanation: Debian unstable is always codenamed with sid
695 Pin: release o=Debian
703 \fBsources.list\fR(5)
704 file and the above preferences file, any of the following commands will cause APT to upgrade to the latest version(s) in the release codenamed with
711 apt\-get install \fIpackage\-name\fR
713 apt\-get dist\-upgrade
719 The following command will cause APT to upgrade the specified package to the latest version from the
721 distribution\&. Thereafter,
722 \fBapt\-get upgrade\fR
723 will upgrade the package to the most recent
725 version if that is more recent than the installed version, otherwise, to the most recent
727 version if that is more recent than the installed version\&.
733 apt\-get install \fIpackage\fR/sid
743 Version preferences file\&. This is where you would specify "pinning", i\&.e\&. a preference to get certain packages from a separate source or from a different version of a distribution\&. Configuration Item:
744 Dir::Etc::Preferences\&.
747 /etc/apt/preferences\&.d/
749 File fragments for the version preferences\&. Configuration Item:
750 Dir::Etc::PreferencesParts\&.
757 \fBsources.list\fR(5)
760 \m[blue]\fBAPT バグページ\fR\m[]\&\s-2\u[1]\d\s+2
761 をご覧ください。 APT のバグを報告する場合は、
762 /usr/share/doc/debian/bug\-reporting\&.txt
769 nabetaro@debian\&.or\&.jp
770 (2003\-2006,2009), Debian JP Documentation ML
771 debian\-doc@debian\&.or\&.jp
773 Note that this translated document may contain untranslated parts\&. This is done on purpose, to avoid losing content when the translation is lagging behind the original content\&.
783 \%http://bugs.debian.org/src:apt